はじめに
土用って、夏の暑い時にウナギを食べる日だよね?
土用は季節の移り変わりの時期のことで、実は年に4回。
それぞれ18日間なので、年に72日間が土用だよ!!
土用は、立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日間を指し、全部で72日間あります。つまりは年の約5分の1が土用・・・ということになります。
土用はちょうど季節の変わり目で、前の季節のエネルギーがピークを迎えているときです。陰陽の基本的な理論で「陽極まって陰に転ずる」と言われますが、この季節のエネルギーが極まって、次の季節へと向かっていきますので、土用は季節の終わりの18日間ということになります。
中国が起源の”五行説”では、世界は木・火・土・金・水の5つの要素で作られているとされていて、この土用が司るのは”土”の気。土は命の源であり、また死んだら還る場所でもあり、季節を終わらせ、新しい季節を育んでいくという役目を土用が担っています。
土用は前の季節のエネルギーが強く残っているものの、気の乱れも起きやすいため、体調を崩しやすくなります。東洋医学では土用の気が該当するのは”脾”で、膵臓や胃の働きを養うことが大事です。人工的な甘みは体に害を与えることがありますが、とうもろこしやサツマイモの甘みなど、自然の甘みを食事に取り入れていくことが大事です。
また、この土用の時期は”土”をいじることは避けるべきだと言われていて、できる限り農作業だったり土を掘り起こすようなことは避けた方が良いとも言われます。
春の土用
春の土用は、立夏の前の約18日間で、例年、4月18日~5月5日ごろです。
2024年は4月16日~5月4日が春の土用。間日は4/23、4/24、4/27です。
この期間は、冬から春への移行が完了し、初夏に向けての準備期間とされています。
この頃はタケノコの旬でもあります。春はえぐみや苦みのあるものを食べることで、冬にたまってしまった体の毒を排出することができます。タケノコもえぐみが強い食材ですので、積極的に献立に取り入れていきましょう。
田植えの準備や、春祭りなどの農作業や地域の行事が行われることが多いです。木々や野原の草花も生命力があふれる時期。紫外線もだんだん強くなってきますので、日焼けのケアをしつつ、外に出かける機会を作って太陽の光を浴びましょう。
太陽の光にはセロトニンの分泌を促す効果もあります。セロトニンは”幸せホルモン”とも言われて、脳の興奮を鎮めて精神を安定させ、幸福感を高めるのに役立つホルモンです。
特に朝日をなるべく浴びるようにして、元気に初夏を迎えていきましょう。
夏の土用
夏の土用は立秋の前の約18日間で、例年、7月21日~8月7日ごろがです。あたります。夏の土用は”ライオンズゲート”と呼ばれる時期とも重なります。
2024年の夏の土用は7月19日~8月6日。間日は7/19、7/26、7/27、7/31です。
土用の丑の日は7/24と8/5です。
この期間は、夏の暑さがピークに達する時期であり、体力を消耗しやすい時期でもあります。1年を通じても最も”気”が乱れやすい時期でもあり、胃腸の疲れや食欲不振、夏風邪や微熱・だるさなどの体調不良が起こりやすい時期にも当たります。
夏バテを防ぐためには食事の内容そのものよりも、よく噛んで食べること・腹八分目を心がけて消化を促す・・・などの基本的な食事の摂りかたを大事にしましょう。
土用の時期は”甘”の食事を意識することが大事なのですが、夏の土用時期は甘酒がおススメ。栄養価も高く夏バテを防ぐ効果もあります。
また、夏の土用には、「土用の丑の日」があり、この日にうなぎを食べる習慣があります。ほかにも「う」のつく食材が良いと言われていて、うどんや瓜なども良いと言われています。
秋の土用
秋の土用は立冬の前の約18日間で、例年、10月21日~11月7日ごろです
2024年の秋の土用は10月20日~11月6日。間日は10/22、10/24、10/26、11/3、11/5です。
秋の土用の頃には、収穫祭や秋祭りが行われることが多く、収穫した作物を感謝する行事が行われます。この期間は、「食欲の秋」まっさかり。ついつい食べ過ぎてしまう時期です。私たちは冬も食事を摂りますので、過剰に体内に栄養をたくわえる必要がないので、質素な食事を心がけることが大事です。
この時期に摂ると良い”甘”の食材はサツマイモやかぼちゃ、小豆など。体内の酵素や腸内細菌の働きを助けてくれる作用があります。また、空気が乾燥してくる時期ですので肌荒れなども起こりやすい時期。揚げ物などはできるだけ避けて、煮物などの水分を多く使った調理方法がおススメです。
根菜などをじっくり煮込んだスープやお味噌汁なども、体を整えてくれます。だんだん日も短くなり体も冷えやすくなります。入浴時にはゆっくり湯船に浸かってリンパマッサージをして、リンパの流れをよくして、体のメンテナンスを心がけましょう。
冬の土用
冬の土用は立春の前の約18日間で、例年、1月17日~2月3日ごろが冬の土用です。
2025年の冬の土用は1月17日~2月2日です。間日は1/21、1/22、1/24、2/2です。
この期間は、寒さが厳しくなる時期であり、春に向けての準備期間でもあります。
免疫力も低下しやすく、インフルエンザなどの感染症も流行しやすい時期になります。年末年始の暴飲暴食の影響で胃腸の乱れが続くこともあります。脂っこい食事は避けてシンプルな食事で胃腸を整えることを心がけましょう。
身体もこわばってリンパの流れも滞りがちに。日々ストレッチなどを行って体のケアをしていきましょう。足首や太もも、ふくらはぎ、肩回りを中心に、体の固くなりがちな部分をほぐしていくようにしていきましょう。特にお風呂はゆっくり浸かるようにして、入浴中にマッサージをするのも効果的です。
まとめ
土用は、年に4回、季節ごとに訪れる特別な期間です。春、夏、秋、冬それぞれの土用には、その季節に合わせた特徴や行事、過ごし方があります。
春の土用には、田植えの準備や春祭りが行われ、体力をつけるための食事に気をつけます。夏の土用には、土用の丑の日にうなぎを食べ、体力を補います。秋の土用には、収穫祭や秋祭りが行われ、旬の食材を取り入れた食事で健康を維持します。冬の土用には、寒さでこわばりがちな体をほぐし、体を温める食事を心がけます。
土用の期間を正しく理解し、適切に過ごすことで、季節の変わり目を健康に乗り切ることができます。ぜひ、それぞれの土用の風習や適切な過ごし方を取り入れて、より豊かな生活を送ってください。